園長からのメッセージmessage

私を癒してくれた微笑み2015.08.01

 

以前私がとても悩んでいるとき、その想いを手紙で打ち明けた方がいます。その方のお名前は鈴木中人さん。
初めてお会いした際、「はじめまして。田中さん」と差し出して下さった握手の手のぬくもり、その微笑みから、私は肩の力が抜け穏やかで優しい気持ちになることができました。
そう、私はその微笑みに癒されたのです。「うわー、仏様のような方が本当にいらっしゃるんだ」と感動しました。
でも、とても疑問をもちました。なぜならば、鈴木さんは小児がんのため、わずか6歳のお嬢さんを失ってしまういわゆる「逆縁」、この世の中で最も悲しいご経験をされている方だからです。
「とても、辛く悲しい想いをされているのに、どうしてそんなに優しさにあふれているのだろう」
とても不思議でした。
鈴木さんはお嬢様の死から命の大切を痛切に感じられ、会社を退職しNPO法人いのちをバトンタッチする会を創設その代表となり、幼稚園から大学企業で講演活動を行われています。
そのご講演をお聴きして、「ああ、そういうことだったんだ」と、とても納得しました。
「私は病気から娘を助けることができなかった最低の親なんだ。娘を殺したのは私なんだ」という自責の念を乗り越えられ、「へえー、娘の死を飯のタネにしてるんだ」というような、心無い人の揶揄にも臆することないお心をもたれた。
そう、鈴木さんは強くなられたのです。
そして、最も悲しい辛く苦しいご経験をされているからこそ、人の悲しみ苦しみがわかる、本当に優しい人になられたのだと、わかりました。
いつでも幸せ、楽しいこと嬉しいことばかりの人生の方がいいにきまっています。挫折や試練辛く悲しいことなんて、ない方がいいのです。
でも、日々の生活では、いいことだらけとは、残念ながらうまくいきません。
悲しく辛い時、それは人生のターニングポイント(分岐点)です。その苦しみをトラウマにして悩み背負い続けるのか、鈴木さんのようにステキな自分に成長するための大切な経験と捉えるか。
鈴木さんは、そんなとても大切なことを私に教えて下さったまさに恩人であり、尊敬に値する方です。
みなさまも、子育てやそのほかのことで、お悩み苦しみになられることが、たくさんあると思いますが、どうか、どうぞ、負けないで下さい。
その鈴木さんのご講演を2015年10月20日(火)10時~11時30分まで、当園ホールにて行います。
どなたでも、ご参加いただけますので、よろしければ、ぜひお越し下さい。
最初の30分は園児向け、後半1時間は大人向けのお話しになります。
みなさまが、私と同様に癒さるといいなあと、節に願っています。

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